災害時に自然の力で食糧を確保する野菜栽培

生き残り術

災害時の自給自足をサポートする、自然と共生する野菜の育て方

はじめに

 災害時には食糧確保が難しくなることがあります。本書では、自然の力を借りて手軽に栽培できる野菜を紹介し、災害時の自給自足をサポートします。野菜の選び方や栽培のコツを解説し、食糧確保の重要性をお伝えします。災害時に備えて、自然の恵みを活用した野菜栽培にチャレンジしてみてください。

山菜の栽培

タケノコの栽培方法

  • タケノコの採取: タケノコは竹の新芽であり、春に山や竹林で採取されます。採取する際には竹の種類や成長の段階を確認し、根元から丁寧に掘り出します。
  • タケノコの準備: 採取したタケノコを水で洗い、根元の外皮を剥いて根を切り落とします。また、新芽の先端の皮を剥いて芽を露出させます。
  • タケノコの植え付け: タケノコを植え付ける際には、深さ約10〜15cmの穴を掘り、新芽を傷つけないように慎重に植え込みます。植え付けた後に水を与え、土を軽く押さえます。
  • タケノコの管理: タケノコは水分を好むため、土が乾燥しないように水を与えます。また、日陰の場所に置き、風を避けるなどの保護を行います。成長するにつれ、竹の支柱を立てるなどの対策を行い、株が倒れないようにします。
  • タケノコの収穫: タケノコは成長に時間がかかりますが、通常は2〜3年程度で収穫が可能です。新芽が30〜40cm程度に成長したら、根元を切り取って収穫します。

ワラビの栽培方法

  • 種子の入手: ワラビの種子は通常、山や森で自生しているワラビの株を探して採取するか、市販の種子を購入します。
  • 栽培用のポットや畝の準備: ワラビは湿気を好みます。水はけの良い土を用意し、ポットや畝を準備します。
  • 種子のまきと発芽: 湿った土にワラビの種子をまきます。種子を深く埋め過ぎず、表面に軽く蒔きます。その後、遮光ネットをかけて半日陰の場所に置き、湿度を保ちます。約2週間ほどで発芽が始まります。
  • 成長と定植: 発芽したワラビは日光に当てながら成長させます。苗が5~10㎝ほどになったら、定植します。ポットから畝や庭に植え付ける際には、根を傷つけないように慎重に行いましょう。
  • 水やりと肥料: ワラビは湿気を好むため、適度な水やりを心掛けましょう。また、有機肥料を適宜施し、栄養を補給させます。
  • 除草と病害虫対策: ワラビの栽培中には、雑草の除去や病害虫の対策を行いましょう。特に、ワラビノミドリムシやワラビノコナマダラなどの害虫に注意し、必要に応じて防除を行います。
  • 収穫: ワラビは成長に時間がかかりますが、約1年から2年ほどで収穫可能になります。新芽が出てきたら、根元を切り取り、軽く洗って食べられる部分を取り出します

スプラウト野菜の栽培

もやしの栽培方法

  • もやしの発芽: もやしの種を水に浸し、一晩置いておきます。その後、種を水洗いし、水を切ります。発芽器やプラスチック容器に種を均等に敷き詰めます。
  • 日光の管理: もやしは日光を必要としますが、直射日光は避けます。発芽したもやしを日陰に置き、光を当てすぎないように注意します。
  • 水の管理: もやしは水を好みます。発芽したもやしに水をかけ、湿度を保ちます。また、水をこまめに交換し、水が悪くならないようにします。
  • 温度の管理: もやしは温度に敏感です。適温は約15〜20℃です。高温や低温の場合は発芽や成長に影響を及ぼすため、適切な温度を保つようにしましょう。
  • 収穫: もやしは発芽してから約5〜7日ほどで収穫可能です。もやしの根が約5cmほど伸びたら、根を切り取り、食べやすい長さに切って収穫します。
  • 以上が、もやしの基本的な栽培方法です。室内での栽培が一般的ですが、屋外での栽培も可能です。

根菜の栽培

ジャガイモの栽培方法

CouleurによるPixabayからの画像

  • ジャガイモの種芋の準備: ジャガイモの種芋を準備します。種芋は健康で肌が滑らかなものを選びましょう。大きすぎず小さすぎず、目が多すぎないものが理想的です。
  • 土壌の準備: ジャガイモは肥沃で排水の良い土壌を好みます。畑を耕し、石や根を取り除きます。必要に応じて有機肥料を施し、土壌を緩めます。
  • 植え付け: 種芋を植え付けます。種芋は畝の上に均等に置き、上から土をかけて覆います。畝の間隔は約60〜75cm、種芋同士の間隔は約30〜40cm程度にします。
  • 水やりと肥料の管理: ジャガイモは水を必要としますが、過湿にならないように注意が必要です。土が乾いたら適度に水を与えましょう。また、芽が出た後に有機肥料を施し、栄養を補給します。
  • 害虫や病気の管理: ジャガイモは害虫や病気に注意が必要です。定期的に葉の裏側を確認し、害虫を見つけたら駆除しましょう。また、病気の発生が疑われる場合は早めに対策を取りましょう。
  • 土の追い土と支柱の設置: ジャガイモは茎を伸ばして芋をつけるため、茎の部分を土で覆って追い土をします。また、高さ30〜40cm程度の支柱を設置して茎を支え、倒れないようにします。
  • 収穫: ジャガイモは花が咲いてから約2〜3週間後に収穫が可能です。花が咲いた後、茎がしおれてきたら収穫します。手で丁寧に掘り起こし、土を払い落とした後、風通しの良い場所で乾燥させます。

サツマイモの栽培方法

マサコ アーントによるPixabayからの画像

  • サツマイモの準備: サツマイモの苗か種芋を準備します。苗を使う場合は、市販の苗を購入するか、自家生産した苗を用意します。種芋を使う場合は、健康で肌が滑らかなものを選びましょう。
  • 土壌の準備: サツマイモは肥沃で排水の良い土壌を好みます。畑を耕し、石や根を取り除きます。必要に応じて有機肥料を施し、土壌を緩めます。
  • 植え付け: サツマイモの苗か種芋を植え付けます。苗の場合は苗を間隔を開けて植え、種芋の場合は間隔を空けずに植え付けます。深さは2〜3cm程度にします。
  • 水やりと肥料の管理: サツマイモは水を必要としますが、過湿にならないように注意が必要です。土が乾いたら適度に水を与えましょう。また、芽が出た後に有機肥料を施し、栄養を補給します。
  • 害虫や病気の管理: サツマイモは害虫や病気に注意が必要です。定期的に葉の裏側を確認し、害虫を見つけたら駆除しましょう。また、病気の発生が疑われる場合は早めに対策を取りましょう。
  • 蔓の管理: サツマイモは長い蔓を伸ばしますので、蔓を整えるために途中で摘心を行い、健康的に育つようにします。
  • 収穫: サツマイモは約4〜6ヶ月後に収穫が可能です。葉が黄色くなり、蔓がしおれてきたら収穫します。手で丁寧に掘り起こし、土を払い落とした後、風通しの良い場所で乾燥させます。

まとめ

 自然の力を借りて災害時に食糧を確保するために、山菜の栽培やスプラウト野菜の育て方、根菜の栽培などを活用しましょう。適切な栽培方法と管理を行いながら、自給自足をサポートする野菜を育てることで、災害時に安全な食糧を確保することができます。災害時には、安全を最優先に考えながら、自然と共生する野菜の栽培を通じて、持続可能な食糧確保を目指しましょう。

付録: 災害時の食糧確保に役立つ野菜の種の選び方

耐倒木性のある野菜

 災害時には木が倒れたり、建物が崩れたりする危険性があります。耐倒木性のある野菜の種を選ぶことで、災害に強い野菜を栽培することができます。

早生種または中間生種の野菜

 災害時には食糧確保が急務となるため、早生種または中間生種の野菜を選ぶことで、短期間で収穫できる野菜を栽培することができます。

病害虫に強い野菜

 災害時には病害虫の被害が増える可能性があります。病害虫に強い野菜の種を選ぶことで、被害を最小限に抑えながら野菜を育てることができます。

長期保存が可能な野菜

 災害時には長期保存が可能な野菜が求められます。長期保存が可能な野菜の種を選ぶことで、食糧確保のために必要な保存食を作ることができます。

地域に合った野菜

 地域の気候や土壌に合った野菜の種を選ぶことで、栽培がしやすくなります。災害時には生育環境が厳しいため、地域に合った野菜を選ぶことが重要です。

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